ふるさと納税特集
今日は元寇関連ですが、鷹島沖に沈む元の船の価値についてです。 昨年か一昨年に、RKB毎日放送の番組にて長崎県松浦市の鷹島沖に沈む元の船の水中での発掘調査の様子が放送されていました。RKBさんは2012年からこの調査を行う琉球大学の追跡調査をしていまして、ダイビングが得意な記者が実際に一緒に潜って水中の発掘調査の様子を報道していました。※ RKB毎日放送のサイトでは、すでに動画を見ることはできませんが、番組の紹介は以下のサイトにあります。http://rkb.jp/genko2013/ 琉球大学の池田栄史先生が長年、鷹島沖に潜って調査を進めていますが、すでに非常に保存状態の良い長さ20メートルに及ぶ元軍の船と思われるものを発見しています。伊万里湾の泥に埋もれていたので、腐らずに残ったようです。関係者のお話によると、伊万里湾の沈没船で泥に埋もれて良い状態で残っている可能性のあるところがあと数カ所あるとのことで、今後も時間をかけて調査を進めていくとのことです。これまで水中からは船のいかりや陶磁器など様々なものが見つかっていて、鷹島埋蔵文化財センターにて保存・展示されています。海に長く浸かっていたものは、時間をかけて塩分を抜くなど地道な作業が行われてからの展示となるようです。http://www.city-matsuura.jp/www/contents/1227860357670/index.html さて、これから鷹島沖での調査の進展で、どのような船が見つかるのかはわかりませんが、モノによっては、世界から観光客を呼べる博物館を作ることができるかもしれません。事例は、韓国の木浦にある国立海洋文化財研究所です(日本語のサイトがとてもしっかり作られています。この点はさすがです。)。 ここには有名な「新安船」という元の時代に日本目指して航海していたと思われる船の残骸が積荷満載の状態で水中から発見されていまして、非常に魅力的な展示となっています。この沖合は、古来、海の難所だったようで、多くの船が沈んでいます。http://www.seamuse.go.kr/seamuseweb/html/HtmlPage.do?pg=/JP/collection/sub03_01.html&mn=JP_03_01 ※ この船からは、京都の「東福寺」の木簡も発見されており、発注者は東福寺のようですので、少なくとも積荷は日本に返してもらいたいものです。韓国政府は、それが嫌なら、対馬から盗んだ仏像を早く返してね。 ただ、これほど可能性のある元の沈没船の調査ですが、例え、凄いものが見つかったとしても、立派な博物館ができるかどうかはわかりません。鷹島は鷹島町という自治体でしたが、2006年に市町村合併(平成大合併)により松浦市と一緒になりました。鷹島の人口は2000人くらいでして、人口2万2000人の松浦市全体からすると、鷹島に資本を投下して、モンゴル沈没船博物館というような施設を作るのは、財政も厳しいし、優先順位が低くなります。 松浦市役所はふるさと納税でもそこそこに頑張っていますが、平成28年には寄付総額で7億3441万円、返礼品を差し引くと3億円くらいかと思いますので、これだけでは博物館を作れるような金額ではありません。佐賀県の上峰町や宮崎県の都農町くらい頑張ると、博物館を作るお金や調査を進めるお金は出てくると思うのですが。 地元の人からすると、おそらく、時々、元船の遺物は、漁業の網にかかっていたはずで、海に沈んでいる沈没船が世界的に価値のあるものだという感覚は薄いのかもしれません。ちょっともったいないなと思う素材です。